総務省›令和8年版 情報通信白書
令和8年版 情報通信白書 特集は「AIの進展がもたらす多面的影響」、生成AIの利用経験やインターネット利用の調査結果
この記事のまとめ
- 総務省は2026年7月24日に令和8年版情報通信白書を公表し、特集は「AIの進展がもたらす多面的影響」です。
- 白書は、日本の生成AIの利用経験率を2025年度調査で58.8%(前年度26.7%)とし、20歳以上に限ると52.2%と記載しています。
- 企業向け調査で白書は、自社の何らかの業務で生成AIを利用しているとの回答を86.4%、活用する方針との回答を68.9%と記載しています。
- 第Ⅱ部で白書は、2025年のインターネット利用率(個人)を85.7%とし、利用者の約7割が何らかの不安を感じていると記載しています。
- 白書で新しく何かが決まるものではなく、関連する枠組みとしてAI法に基づくAI基本計画(2025年12月閣議決定)などを記載しています。
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7月24日に公表、特集はAI利用を個人・企業への国際アンケートで分析
総務省の報道資料(令和8年7月24日付)には、次のように書かれています。
総務省は本日、令和8年「情報通信に関する現状報告」(令和8年版情報通信白書)を公表しました。
(出典:総務省 報道資料「令和8年「情報通信に関する現状報告」(令和8年版情報通信白書)の公表」令和8年7月24日)
公表日は、この報道資料の日付の令和8年7月24日です。報道資料と公式ページには、閣議に関する日付の記載はありません。報道資料では、昭和48年の第1回公表から数えて54回目の公表とされています。
白書は次の2部で構成されています。
| 部 | 題名 | 章 |
|---|---|---|
| 第Ⅰ部 特集 | AIの進展がもたらす多面的影響~人間とAIが健全に協働するデジタル社会の実現に向けて~ | はじめに/第1章 個人におけるAI利用/第2章 企業等におけるAI利用の進展/第3章 AIの進展に伴う課題と対応 |
| 第Ⅱ部 | 情報通信分野の現状と課題 | 第1章 ICT市場の動向/第2章 総務省におけるICT政策の取組状況 |
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)1ページ)
概要では、特集の内容を次のように説明しています。
2025年に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)が制定・施行され、官民を挙げてのAIの開発・活用の取組が進む中、本年の情報通信白書の特集では、AIの利活用に焦点を当て、個人・企業についての国際的なアンケート調査結果も交えながら分析しつつ、企業におけるAI活用事例や、先進的な取組を進める企業へのヒアリング調査結果、AI利用をめぐる最新の研究動向等を概観し、人間とAIが健全に協働するデジタル社会について展望を試みる。
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)1ページ)
特集のアンケート調査は、インターネットアンケートで、調査期間は2026年1月~2月です。有効回答数は、個人向けが日本1,236件、米国・ドイツ・中国が各624件、企業向けが日本515件、米国・ドイツ・中国が各309件と記載されています。個人向け調査は15歳未満と70歳代以上が対象外です。企業向け調査は、従業員10名以上で2025年までにデジタル化の取組を開始した企業に勤める、管理職以上の役職の人から抽出したとされています(概要3ページ)。
生成AIの利用経験は58.8%に上昇、ネット利用者の約7割は不安を感じている
生成AIの利用経験
日本における生成AIの利用率(利用経験率)は、他の3か国より低いものの、今回の2025年度調査で58.8%となり※ 、2024年度調査(26.7%) に比べて大幅に上昇。 他方、画像・動画生成などテキスト生成以外のAIサービスでは日本の生成AIの利用率は未だ低い。
同じページの注記では、調査対象の年齢が前年度までと変わったことが示されています。
※ 2023年度調査・2024年度調査では、調査対象の年齢を20歳以上としていたが、2025年度調査では、新たに15歳~19歳を調査対象に加えている。2025年度調査において、20歳以上の利用率は52.2%であった。
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)4ページ)
本編には、サービスの種類別の結果が書かれています。
また、利用経験のある生成AIサービスの種類について、何らかのテキスト生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した割合は、2025年度個人向け調査で55.0%であった。2024年度個人向け調査では、何らかのテキスト生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した割合が24.0%であったことを踏まえると、テキスト生成AIサービスの利用経験率がこの1年間で大きく上昇していることがわかる(図表Ⅰ-1-1-2)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 6ページ)
同じ調査で何らかの生成AIサービスを使ったことがあると回答した割合は、米国とドイツが75.6%、中国が93.6%で、白書はいずれの国も日本を上回ったと記載しています(第Ⅰ部第1章第1節 7ページ)。
年齢別の利用経験と利用頻度
生成AIサービスの利用状況について年齢階層別に見たところ、日本では、何らかの生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した割合は15歳~19歳が最も高く(91.7%)、20歳~29歳が次に続く結果となった(78.2%)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 10ページ)
利用頻度については、概要に次の記載があります。
日本では「ほぼ毎日」利用すると回答した割合は約3割、「ほぼ毎日1時間以上」利用すると回答した割合に限っても1割超。
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)4ページ)
なお、この日本における調査結果を年齢別に見ると、「ほぼ毎日」利用すると回答した割合は、20歳~29歳で最も高く約4割であり、これに30歳~39歳、15歳~19歳が3割程度で続く結果となった(図表Ⅰ-1-1-9)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 11ページ)
本編は、米国・ドイツ・中国で「ほぼ毎日」利用すると回答した割合は4割を超えており、日本が最も低かったと記載しています。
使う理由・使わない理由
何らかの生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した人に対し、その理由を調査したところ、日本では「利用にかかるお金が無料又は安い」(53.9%)、「時間や手間を省いてくれ、作業の効率が上がる」(42.8%)、「多様な発想や視点を示してくれる」(34.1%)の順に回答割合が高かった。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 8ページ)
何らかの生成AIサービスを「使っていない(過去使ったことがない)」と回答した人に対し、その理由を調査したところ、テキスト生成AIサービスを利用しない理由に関しては「自分の生活や業務に必要ない」と回答した割合が42.4%、「使い方がわからない」と回答した割合が38.8%であった。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 9ページ)
本編は、米国やドイツと比べて「使い方がわからない」と回答した割合は日本が最も高かったと記載しています。
情報の取得や相談での使い方
白書は、AIの利用目的では日本を含む4か国すべてで「情報の理解」が最も多く、日本ではその次に文書作成や校正、翻訳が続いたと記載しています(第Ⅰ部第1章第1節 12ページ)。場面ごとのAIとAI以外の方法の使い分けについては、次の記載があります。
一方、日本国内で年齢階層別に見た場合、15歳~19歳及び20歳~29歳において、「日常の些細な疑問や雑談に関する情報を気軽に得ようとするとき」や「自身の心身や生活、将来に係る専門的な相談をするとき」について「AIのみ」及び「主にAI(他の方法は補助的)」を利用すると回答した割合は、2割から3割程度に及ぶ傾向となった。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 13ページ)
リスク意識と、利用時に気を付けていること
AIの利用に関するリスク意識について調査したところ、日本において「非常にリスクだと感じる」及び「どちらかと言えばリスクだと感じる」の回答割合の合計が最も高かったのは、「実在する人物の精巧なフェイク映像や音声、実在しない景色や人物などの画像を本物であると思ってしまう」であった。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 16ページ)
白書は、日本では各リスク項目とも、この回答割合の合計が2024年度調査より高くなり、「わからない」と回答した割合が低下したと記載しています(17ページ)。
また、AIを適切に利用するために気を付けていることについて、何らかの生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と回答した人に対して尋ねたところ、日本においては「生成内容が正しいか、他の方法で確認している」と回答した割合が最も高く、次に「生成内容の根拠や判断理由を確認している」と回答した割合が高かった(図表Ⅰ-1-1-18)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 18ページ)
仕事と企業での利用
個人向け調査では、仕事でAIが担いうる役割や影響についても尋ねています。
仕事においてAIが今後担いうる役割やもたらしうる影響に関し、日本において「そう思う」及び「どちらかと言えばそう思う」の回答割合の合計が最も高かったのは、「単純・非効率な仕事を生成AIに任せる」であり、次に「AI導入を前提とした新たなスキルを身につけなければならない」が続いた(図表Ⅰ-1-1-19)。
「自分の仕事がAIに代替され、職を失う」や「自分の仕事から発想の多様性やクリエイティビティが失われる」ことについては、当該回答割合の合計は比較的低い結果となり、この傾向は今回調査した他の3か国でも同様だった。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 19ページ)
企業向け調査については、概要に次の記載があります。
所属する企業における生成AIの活用方針に関し「積極的に活用する方針」 「活用する領域を限定して利用する方針」と回答した割合の合計は、日本は他の3か国より低いものの、2025年度調査で68.9%となり、2024年度調査(49.7%)に比べて大きく上昇した。
また、生成AIの活用状況を尋ねたところ、日本において、自社の何らかの業務で生成AIを利用していると回答した割合は86.4%となり、2024年度調査に比べて大幅に上昇し、他の3か国との差が小さくなった。
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)7ページ)
インターネットの利用と利用時の不安(第Ⅱ部)
第Ⅱ部第1章第11節「デジタル活用の動向」には、総務省「通信利用動向調査」をもとにした記載があります。
2025年のインターネット利用率(個人)は85.7%となっており(図表Ⅱ-1-11-2)、端末別のインターネット利用率(個人)は、「スマートフォン」(74.3%)が「パソコン」(45.6%)を28.7ポイント上回っている。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅱ部第1章第11節 122ページ)
個人の年齢階層別インターネット利用率は、13歳から69歳までの各階層で9割を超えている。70歳以降、年齢階層が上がるにつれて利用率が低下する傾向にあるが、70歳~79歳の階層でも7割を超える。
(出典:令和8年版情報通信白書(概要)17ページ)
インターネットを利用している人の約7割がインターネットの利用時に何らかの不安を感じており(図表Ⅱ-1-11-5)、具体的な不安の内容としては、「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」の割合が90.3%と最も高く、次いで「コンピューターウイルスへの感染」(60.6%)、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」(55.1%)となっている(図表Ⅱ-1-11-6)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅱ部第1章第11節 124ページ)
第3章:AIを使った発想と文章を引用する力に関する海外の研究例
第3章第1節では、AIを使った群が短時間で質の高いアイデアを出せたとする海外の研究例と、最初から生成AIを使って小論文を書いた群で自分の文章を引用する力が比較的低かったとする海外の研究例の両方を紹介しています(57〜58ページ)。
令和7年版からの変化:生成AIの利用経験は約27%から58.8%に(対象年齢は拡大)
令和7年版と令和8年版の概要を比べました。令和7年版の特集は、次の題名でした。
第Ⅰ部:特集 広がりゆく「社会基盤」としてのデジタル
(出典:令和7年版情報通信白書(概要)1ページ)
令和8年版の特集は「AIの進展がもたらす多面的影響」です。第Ⅱ部「情報通信分野の現状と課題」の章立て(第1章 ICT市場の動向、第2章 総務省におけるICT政策の取組状況)は、両方の版の概要1ページで同じです。
令和7年版の概要では、個人と企業の生成AI利用について次のように書かれていました。
個人の生成AIサービス利用経験(2024年度調査)は、2023年度調査と比べて約3倍の約27%と大きく上昇。今回調査した他国と比べ低い。
生成AI活用する方針を定めている企業の比率(2024年度調査)は、約50%。2023年度調査(約43%)より増加。今回調査した他国と比べ低い。
(出典:令和7年版情報通信白書(概要)6ページ)
令和8年版の概要では、個人の生成AIの利用率(利用経験率)は2025年度調査で58.8%、企業の活用方針の割合は2025年度調査で68.9%と記載されています(4ページ、7ページ)。ただし、令和8年版の個人向け調査は、前年度までの20歳以上に15歳~19歳を加えています。20歳以上に限った利用率は52.2%です。
AI法に基づくAI基本計画と指針が2025年12月に閣議決定・策定
白書の「はじめに」は、AI法が内閣総理大臣を本部長とする人工知能戦略本部の設置などを定めていると記載し、AI法に基づく計画について次のように書いています。
2025年12月には、このAI法に基づき、人工知能基本計画(以下「AI基本計画」という。)が初めて閣議決定された(図表Ⅰ-0-0-2)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部 はじめに 3ページ)
第3章第3節では、AI法に基づく指針について次のように記載しています。
2025年12月には、AI法に基づいて「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」が策定され、各主体において取り組むべき事項が示されている(図表Ⅰ-3-3-1)。
(出典:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第3章第3節 61ページ)
同じ節では、総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」と、総務省が公表している「生成AIはじめの一歩 ~生成AIの入門的な使い方と注意点~」も紹介されています(62ページ)。
白書の冒頭の「公表にあたって」で、総務大臣は次のように述べています。
総務省は、今回の白書の分析結果も踏まえ、安全・安心で「信頼できるAI」の実現に向け、国内外におけるAIガバナンスの構築、我が国におけるAI開発力の強化、AI社会を支えるデジタルインフラの整備や中核技術の競争力強化・海外展開、AIを含めたICTリテラシーの向上、AIを含むデジタル技術の活用による地域社会DXの推進、サイバーセキュリティ対策の推進など、引き続き総合的な取組を進めてまいります。
(出典:令和8年版 情報通信白書「令和8年版 情報通信白書の公表にあたって」)
経過
日付と出来事の一覧を開く(1件)
- 総務省が令和8年版情報通信白書(令和8年「情報通信に関する現状報告」)を公表
出典
- 総務省「情報通信白書令和8年版」(2026年9月13日取得)
- 総務省 報道資料「令和8年「情報通信に関する現状報告」(令和8年版情報通信白書)の公表」(令和8年7月24日)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版情報通信白書(概要)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書(PDF版)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書の公表にあたって(総務大臣)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部 はじめに(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第3章第1節 人間の記憶や思考能力とAI(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第3章第3節 日本におけるAIガバナンス(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 情報通信白書 第Ⅱ部第1章第11節 デジタル活用の動向(2026年9月13日取得)
- 令和8年版情報通信白書の二次利用について(2026年9月13日取得)
- 令和7年版情報通信白書(概要)(2026年9月13日取得)