内閣府›令和8年版 高齢社会白書
令和8年版 高齢社会白書(内閣府) 特集は日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの高齢者の生活と意識の国際比較
この記事のまとめ
- 内閣府の令和8年版高齢社会白書は6月12日に閣議決定され、特集は日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの高齢者の国際比較です。
- 白書は令和7年の高齢化率を29.4%(65歳以上3,622万人)、75歳以上人口を総人口の17.3%と記載しています。
- 白書は令和7年の65〜69歳の就業率を54.5%、高齢者世帯の平均所得金額を314.8万円(その他の世帯の約5割)としています。
- 特集は生活に満足している割合を日本79.2%(スウェーデン96.6%)、収入を伴う仕事をしたい割合を日本39.0%と記載しています。
- 白書は高齢社会対策基本法に基づく年次報告で新しく何かを決めるものではなく、介護保険は社会保障審議会の部会で議論されました。
- 省庁
- 内閣府
- 白書
- 令和8年版 高齢社会白書
6月12日に閣議決定、高齢社会対策基本法に基づく31回目の白書
内閣府の「高齢社会対策」のページでは、新着情報欄の2026年6月12日付の項目に次のように掲載されています。
令和8年版「高齢社会白書」(令和8年6月12日閣議決定)を公表しました
(出典:内閣府「高齢社会対策」トップページ 新着情報)
白書の位置づけについて、内閣府のページは次のように説明しています。
高齢社会白書は、高齢社会対策基本法に基づき、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書であり、高齢化の状況や政府が講じた高齢社会対策の実施の状況、また、高齢化の状況を考慮して講じようとする施策について明らかにしているものです。
(出典:内閣府「高齢社会白書について」)
概要版の目次では、法定白書として「今回で 31 回目」と記載されています。全体版の構成は次のとおりです。
| 部分 | 章 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 令和7年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 | 第1章 高齢化の状況 | 第1節 高齢化の状況/第2節 高齢期の暮らしの動向/第3節〈特集〉国際比較調査に見る日本の高齢者の生活と意識の特徴 |
| 同上 | 第2章 令和7年度高齢社会対策の実施の状況 | 第1節 基本的枠組み/第2節 分野別の施策の実施の状況/トピックス4件 |
| 令和8年度 高齢社会対策 | 第3章 令和8年度高齢社会対策 | 第1節 基本的な取組/第2節 分野別の高齢社会対策 |
(出典:内閣府「令和8年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)」のページ)
概要版の目次には、掲載データは原則として令和8年3月31日までに公表されたものに基づくとの注記があります。
高齢化率29.4%などの統計と、4か国の国際比較の特集
高齢化率と人口
令和7年の 65 歳以上人口は、3,622 万人となり、総人口に占める割合(以下「高齢化率」という。)は 29.4%となった。
令和7年の 65 歳以上人口のうち、「65~74 歳人口」は 1,495 万人(男性 717 万人、女性 777 万人)で総人口に占める割合は 12.1%となっている。また、「75 歳以上人口」は 2,127 万人(男性 852 万人、女性 1,275 万人)で、総人口に占める割合は 17.3%であり、65~74 歳人口を上回っている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第1節1「高齢化の現状と将来像」2ページ)
将来推計について、概要版は次のように書いています。
令和 52(2070)年には、2.6 人に1人が 65 歳以上、約4人に1人が 75 歳以上。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第1節・第2節 3ページ)
就業
65 歳以上の就業者数及び就業率は上昇しており、特に 65 歳以上の就業者数を見ると 22 年連続で前年を上回っている。
65 歳以上の就業率は各世代とも上昇傾向にあり、令和7年の就業率は、65~69 歳で 54.5%、70~74 歳で 36.2%、75 歳以上で 12.6%となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節1「就業・所得」18ページ)
所得と貯蓄
高齢者世帯の平均所得金額(令和5年の1年間の所得)は 314.8 万円で、その他の世帯(671.0 万円)の約 5割となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節1 22ページ)
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯については、次の記載があります。
公的年金・恩給が家計収入の全てとなっている世帯が 43.4%となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節1 23ページ)
二人以上の世帯の貯蓄現在高について、世帯主の年齢が 65 歳以上の世帯の中央値は 1,658 万円であり、全世帯の中央値(1,189 万円)と比べ、約 1.4 倍となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節1 24ページ)
健康と介護
健康上の問題で日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、令和4年時点で男性が 72.57 年、女性が 75.45 年となっており、それぞれ令和元年と比べてほぼ横ばいとなっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節2「健康・福祉」28ページ)
介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(以下「要介護者等」という。)は、令和5年度で 695.2 万人となっており、平成 26 年度(591.8 万人)から 103.4 万人増加している。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節2 32ページ)
家族の介護や看護を理由とした離職者数は令和3年 10 月から令和4年9月までの1年間で約 10.6 万人であった。とりわけ、女性の離職者数は約8万人で、全体の 75.3%を占めている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節2 33ページ)
一人暮らしと住まい
65 歳以上の一人暮らしの者は男女共に増加しており、昭和 55 年には 65 歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性 4.3%、女性 11.2%であったが、令和2年には男性 15.0%、女性 22.1%となり、令和 32 年には男性 26.1%、女性 29.3%となると見込まれている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第1節3「家族と世帯」10ページ)
65 歳以上の者の住居形態について見ると、「持家(一戸建て)」が 79.8%、「持家(分譲マンション等の集合住宅)」が 3.2%となっており、持家が8割以上となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 第1章第2節4「生活環境」40ページ)
特集:国際比較調査に見る日本の高齢者の生活と意識の特徴
内閣府は、日本の高齢者と諸外国の高齢者の生活や意識を把握するため、昭和 55 年度より5年ごとに「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施しており、令和7年度で第 10 回目となる。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 6ページ)
全体版によると、調査対象は4か国の60歳以上の男女(施設入所者は除く)で、特集は65歳以上に焦点を当てています。調査時期は令和7年9月中旬〜11月上旬、65歳以上の有効回答数は日本1,267人、アメリカ843人、ドイツ766人、スウェーデン955人です(全体版 51ページ)。
生活満足度と生きがい
現在の生活に満足していると回答した割合(「満足している」と「まあ満足している」の計)は、日本 79.2%、アメリカ 93.6%、ドイツ 88.5%、スウェーデン 96.6%となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 6ページ)
全体版は、生きがい(喜びや楽しみ)を感じていると回答した割合を日本64.0%、アメリカ82.2%、ドイツ63.8%、スウェーデン88.0%とし、前回の令和2年度調査と比べて日本の割合は減少したと記載しています(全体版 51ページ)。
就労
今後収入を伴う仕事をしたいと思うか(今後も収入を伴う仕事を続けたいと思うか)については、日本では約4割が「収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答している一方で、日本を除く国の7割以上が「収入を伴う仕事をしたくない(辞めたい)」と回答している。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 7ページ)
「したい(続けたい)」の割合は日本39.0%、アメリカ24.3%、ドイツ19.8%、スウェーデン19.1%です(全体版 53ページ)。主な理由は、日本、アメリカ、ドイツは「収入が欲しいから」、スウェーデンは「自分の知識・能力を生かせるから」が最も高いと記載されています(全体版 54ページ)。
人付き合い
同居の家族以外に頼れる人について、各国とも「別居の家族・親族」の割合が最も高いとされています。家族以外については、次の記載があります。
「友人」と回答した割合について見ると、高い順に、ドイツ 61.0%、アメリカ 31.1%、スウェーデン 26.2%、日本 13.7%となっている。また、「近所の人」と回答した割合については、高い順に、ドイツ 52.0%、スウェーデン 26.0%、アメリカ 25.3%、日本 12.9%となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 8ページ)
近所の人と「病気の時に助け合う」と回答した割合は日本3.9%(ドイツ34.3%)、「近所の人とのつきあいがない(どれにもあてはまらない)」は日本17.4%で4か国の中で最も高いと記載されています(全体版 55ページ)。
社会活動とデジタル機器の利用
「社会活動に参加している」と回答した割合は、日本 40.9%、アメリカ 43.5%、ドイツ 27.7%、スウェーデン 52.7%となっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 9ページ)
「スマートフォン」を利用している割合は日本65.0%で、いずれの国も前回調査より上昇したとされています(概要版 10ページ)。使い方については、次の記載があります。
「ネットバンキングや金融取引(証券・保険取引など)をする」と回答した割合については、高い順に、スウェーデン 94.2%、アメリカ 73.9%、ドイツ 31.7%、日本 10.0%、「行政の手続きをインターネットで行う(電子政府・電子自治体)」と回答した割合については、高い順に、スウェーデン 71.4%、アメリカ 33.7%、ドイツ 26.1%、日本 9.2%となっており、いずれも日本が他国と比べて割合が低くなっている。
(出典:令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章第3節 11ページ)
特集のまとめの記載
特集の「まとめ」(全体版 62ページ)で、白書は次のように書いています。
- 就労について、「多様なニーズに対応した就業機会の提供を図ることが大切である」
- 社会活動について、「気軽に参加できるように、地域の活動を設計・デザインすることが重要であると考えられる」
- デジタル機器の活用について、「デジタルリテラシーの向上やデジタル・デバイドの解消に向けた一層の取組が求められる」
令和7年版からの変化:高齢化率は29.3%から29.4%に、特集は1つに
令和7年版の概要版(目次、第1章第1節・第2節)を取得し、令和8年版の同じ箇所と比べました。
特集のテーマ 令和7年版の概要版目次では、特集が2つありました。
第3節 〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について
第3節 〈特集②〉新たな高齢社会対策大綱の策定について
(出典:令和7年版 高齢社会白書 概要版 目次 2ページ)
令和7年版は第1章第3節と第2章第3節に特集があり、令和8年版の特集は第1章第3節の1つです。
高齢化率 令和7年版の概要版は、令和6年10月1日現在の数値を次のように記載しています。
65 歳以上人口は、3,624 万人。総人口に占める 65 歳以上人口の割合(高齢化率)は 29.3%。
(出典:令和7年版 高齢社会白書 概要版 第1章第1節・第2節 3ページ)
令和8年版(令和7年10月1日現在)は3,622万人、29.4%です。75歳以上人口は、令和7年版の2,078万人(16.8%)から、令和8年版は2,127万人(17.3%)になっています。
65歳以上の就業者数
65 歳以上の就業者数は 21 年連続で前年を上回っている。
(出典:令和7年版 高齢社会白書 概要版 第1章第1節・第2節 4ページ)
令和8年版の概要版では「22 年連続」です(概要版 4ページ)。
第2章の記載:介護保険は介護保険部会で議論、年金は改正法が成立
白書の第2章は、各府省が令和7年度に講じた施策を分野別にまとめています。審議会や法改正に触れた記載には次のものがあります。
- 介護保険:「第 10 期介護保険事業(支援)計画」に向けて社会保障審議会介護保険部会で議論し、令和7年12月に意見を取りまとめ、法改正等の検討を進めたと記載しています(第2章第2節2(2)、全体版 74ページ)。
- 高齢者医療:上場株式の配当等の金融所得を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映するための法案を提出したと記載しています(第2章第2節2(3)、全体版 77ページ)。
- 公的年金:令和7年6月に「令和7年年金改正法」が成立したと記載しています(第2章第2節1(2)、全体版 72ページ)。
介護保険部会での議論、医療費の窓口負担の見直し、短時間労働者の賃金要件(いわゆる106万円の壁)の経過は、それぞれ関連記事にまとめています。
経過
日付と出来事の一覧を開く(1件)
- 令和8年版高齢社会白書を閣議決定(内閣府の新着情報に同日付で公表を掲載)
出典
- 内閣府「高齢社会対策」トップページ(新着情報)(2026年9月13日取得)
- 内閣府「高齢社会白書について」(2026年9月13日取得)
- 令和8年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 概要版 目次(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章 第1節・第2節(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 概要版 第1章 第3節〈特集〉(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第1節1「高齢化の現状と将来像」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第1節3「家族と世帯」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第2節1「就業・所得」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第2節2「健康・福祉」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第2節4「生活環境」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第3節〈特集〉1「生活満足度・生きがいについて」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第3節〈特集〉2「就労について」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第3節〈特集〉3「人付き合いについて」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第1章 第3節〈特集〉5「まとめ」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第2章 第2節1「就業・所得」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和8年版 高齢社会白書 全体版 第2章 第2節2「健康・福祉」(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和7年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)(2026年9月13日取得)
- 令和7年版 高齢社会白書 概要版 目次(PDF)(2026年9月13日取得)
- 令和7年版 高齢社会白書 概要版 第1章 第1節・第2節(PDF)(2026年9月13日取得)