厚生労働省・こども家庭庁・国土交通省・金融庁令和8年度 税制改正要望と大綱

令和8年度(2025年8月)の税制改正要望は、12月の大綱でどうなったか 厚生労働省・こども家庭庁・国土交通省・金融庁の主な要望の行方

この記事のまとめ

  • 要望(2025年8月29日付)と12月の大綱を経て、所得税法等の一部を改正する法律が2026年3月31日に成立・公布されました。
  • この記事で確認した4省庁の要望18件は、改正事項15件(うち3件は一部の記載なし)、与党大綱の検討事項1件、記載なし2件です。
  • 住宅ローン控除の5年延長やNISAの口座開設可能年齢の下限撤廃が改正事項とされ、死亡保険金の非課税限度額の引上げは記載なしでした。
  • 住宅ローン控除は令和12年12月31日まで延長され、リフォーム減税の工事費用の見直しは令和9年1月1日以後の居住から適用です。
  • 記載なしや検討事項の部分のうち、セルフメディケーション税制の控除額を除く5つは令和9年度要望に再び入っています。
省庁
厚生労働省・こども家庭庁・国土交通省・金融庁
会議体
令和8年度 税制改正要望と大綱
段階
成立・決定

4省庁の要望から家計に関わる18件を選び、大綱の原文と照合

各府省庁は2025年(令和7年)8月末、令和8年度の税制改正要望を出しました。財務省のページは、集計資料を次のように説明しています。

「令和8年度税制改正要望の状況について」(各府省庁から提出された要望(8月29日付)の単純集計)

(出典:財務省「令和8年度税制改正要望」)

この記事では、厚生労働省・こども家庭庁・国土交通省・金融庁の要望から家計に直接関わる18件を選び、12月の大綱にどう書かれたかと、書かれなかった部分が令和9年度(2026年8月)に再び要望されているかを、財務省に掲載された各省庁の要望事項と大綱の原文で確認しました。共同要望は1つの省庁の行にまとめ、NISAの項目だけは、こども家庭庁と金融庁で要望の中身が違うため両方に載せています。

2025年8月の要望から2026年3月31日の成立、8月の次の要望まで

  1. 2025年8月29日付 各府省庁の令和8年度税制改正要望
  2. 2025年12月19日 与党(自由民主党・日本維新の会)の「令和8年度税制改正大綱」
  3. 2025年12月26日 政府の「令和8年度税制改正の大綱」を閣議決定
  4. 2026年2月20日 「所得税法等の一部を改正する法律案」を国会に提出第221回国会、閣法第3号。
  5. 2026年3月31日 参議院で可決・成立、同日公布令和8年法律第12号。
  6. 2026年8月31日付 各府省庁の令和9年度税制改正要望

18件のうち改正事項15件、与党大綱の検討事項1件、記載なし2件

「改正事項」は閣議決定の大綱に改正の内容として書かれていたものです。令和9年度の再要望は、大綱に記載がなかった部分がある行だけを確認し、ほかは「―」としています。

省庁 要望名(原文) 大綱での扱い 令和9年度の再要望
厚生労働省 セルフメディケーション推進のための医療費控除の特例措置の拡充 改正事項(期限の撤廃・延長、対象医薬品の追加)。控除額の計算方法の見直しは記載なし 厚生労働省の要望事項に項目なし
厚生労働省 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等に係る非課税措置の延長 改正事項(引き続き非課税)
厚生労働省 財形住宅貯蓄制度の対象住宅の要件に係る所要の措置 改正事項(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅を追加)
厚生労働省(こども家庭庁と共同) 介護保険制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置 改正事項(介護給付等を引き続き非課税)
こども家庭庁 ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業の住宅支援資金貸付け等に係る非課税措置の延長等 改正事項(引き続き非課税)
こども家庭庁(金融庁と共同) NISA対象商品の拡充を含む制度の充実(こども家庭庁の要望は、つみたて投資枠の対象年齢等の見直し) 改正事項(口座開設可能年齢の下限を撤廃)
こども家庭庁(国土交通省と共同) 既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応リフォームに係る特例措置の延長 改正事項(要望は2年延長、大綱は3年延長)
国土交通省 住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置 改正事項(住宅ローン控除を5年延長など)
国土交通省 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除に関する標準的な工事費用相当額等の工事実績を踏まえた見直し 改正事項
国土交通省 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長 改正事項(要件を加えて2年延長)
国土交通省 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度の延長 改正事項(要件を加えて2年延長)
国土交通省 特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度の延長 改正事項(2年延長)
金融庁 NISA対象商品の拡充を含む制度の充実 対象年齢・対象商品は改正事項。非課税保有限度額の当年中の復活は記載なし 「NISAの利便性向上等」で当年中の復活を要望
金融庁 暗号資産取引に係る課税の見直し 改正事項(分離課税など)
金融庁(経済産業省・農林水産省と共同) 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大) 与党大綱の「検討事項」(デリバティブ取引) 同じ項目名・同じ要望内容で要望
金融庁(農林水産省・厚生労働省・経済産業省と共同) 生命保険料控除制度の拡充の恒久化等 改正事項(上乗せ措置を1年延長)。恒久化は記載なし 同じ項目名で恒久化を要望
金融庁 死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ 大綱に記載なし 同じ項目名・同じ要望内容で要望
金融庁 上場株式等の相続税に係る見直し 大綱に記載なし 同じ項目名・同じ要望内容で要望

18件の内訳は、改正事項として記載15件(うち要望の一部に当たる記載がなかったもの3件)、与党大綱の検討事項1件、大綱に記載なし2件です。以下、出典のページは各資料に印刷されたページ番号です。

厚生労働省:セルフメディケーション税制の控除額の見直しは記載なし

セルフメディケーション税制(控除額の見直しは記載なし)

厚生労働省は、期限の継続と対象医薬品の拡大に加えて、控除額の計算方法の見直しを要望していました。

購入費から差し引く下限額を現行の1万2千円から0円に引き下げるとともに、上限額を8万8千円から 20 万円に引き上げる。

(出典:厚生労働省 要望事項「セルフメディケーション推進のための医療費控除の特例措置の拡充」4-2ページ)

閣議決定の大綱は、期限について次のように書いています。

① 本特例のうちスイッチOTC医薬品の購入の対価に係る部分はその適用期限を撤廃するとともに、それ以外の医薬品の購入の対価に係る部分はその適用期限を5年延長する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 27ページ)

同じ項目の②(対象医薬品の見直し)は令和9年分以後の所得税に適用するとされています。控除額の下限や上限を変える記載は、この項目にはありませんでした。厚生労働省の令和9年度の要望事項(27項目)に、セルフメディケーション税制の項目はありません。

大綱に改正事項として書かれた3件

(13)特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の改正を前提に、同法の特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等について、引き続き所得税を課さないこととする。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 31ページ)

(4)勤労者財産形成住宅貯蓄非課税制度について、その利子所得等が非課税とされる適格払出しの範囲に、床面積が 40 ㎡以上 50 ㎡未満の住宅の取得又は住宅の増改築等に係る費用の支払のための払出しを加える。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 24ページ)

(15)介護保険法の介護給付等について、介護保険法等の改正を前提に、引き続き次の措置を講ずる。 ① 所得税を課さない。 ② 国税の滞納処分による差押えを禁止する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 31ページ)

こども家庭庁:NISAの年齢の下限は撤廃、リフォーム特例は3年延長

ひとり親家庭の貸付金の免除益

(7)ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業の住宅支援資金貸付けによる金銭の貸付けにつき、当該貸付けに係る債務の免除を受ける場合には、当該免除により受ける経済的な利益の価額については、引き続き所得税を課さないこととする。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 26ページ)

児童養護施設退所者等への貸付(26ページの(6))と、自立支援教育訓練給付金・高等職業訓練促進給付金(31ページの(17))も同様です。

NISA(こども家庭庁の要望)

こども支援の一環としての、つみたて投資枠における対象年齢等の見直しを行う等、あらゆる世代が自身のライフプランに沿った形で資産形成を行えるよう、NISAの一層の充実のための措置を講ずる。

(出典:こども家庭庁「令和8年度税制改正要望の概要」2ページ)

① 非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 18ページ)

与党大綱は、この改正を次のように説明しています。

次世代の資産形成を支援する観点から、金融経済教育を更に充実することと併せて、つみたて投資枠の対象年齢を0歳まで拡充する。

(出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」12ページ)

閣議決定の大綱では、未成年者向けの勘定は「令和9年以後の各年」に設けられるものとされています(18ページ)。

子育て対応リフォームなどの特例の延長

現行の特例措置を2年延長し、適用期限を令和9年12月31日までとする。

(出典:こども家庭庁「令和8年度税制改正要望の概要」6ページ)

閣議決定の大綱は、この特例(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)の「適用期限を3年延長する」とし、床面積の要件も広げています。

② 改修工事をした居住の用に供する家屋でその床面積が 40 ㎡以上 50 ㎡未満であるものについても、本特例の適用ができることとする。ただし、その者のその年分の所得税に係る合計所得金額が 1,000 万円を超える場合には、適用しない。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 15ページ)

国土交通省:住宅ローン控除は5年延長、住み替えの特例は2年延長

住宅ローン減税等

国土交通省の要望は、延長期間や控除額を示さず「必要な検討を行い、所要の措置を講じる」という形でした(要望事項35-1ページ)。

(1)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、適用期限(令和7年 12 月 31 日)を令和 12 年 12 月 31 日まで5年延長するとともに、次の措置を講ずる。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 5ページ)

認定住宅等の新築等をした場合の特別控除(投資型減税)は「適用期限を3年延長する」とされています(15ページ)。

リフォーム減税の標準的な工事費用

③ 標準的な工事費用の額について、工事の実績を踏まえて見直しを行う。 (注)上記③の改正は、特定の改修工事をした家屋を令和9年1月1日以後に居住の用に供する場合について適用する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 15ページ)

住み替えの譲渡所得・譲渡損失の特例(3件)

3件とも、要望の内容は次の1文です。

本特例措置の適用期限を2年間(令和9年 12 月 31 日まで)延長

(出典:国土交通省 要望事項 18-1・19-1・20-1ページ)

閣議決定の大綱は、買換え特例(15ページの(1))と買換えの譲渡損失の特例(16ページの(2))を〔廃止・縮減等〕の欄に置き、新築の買換資産について、令和10年1月1日以後に居住する家屋が災害危険区域等内にないことを要件に加えたうえで、次のように延長するとしています。

でないことを加えた上、その適用期限を2年延長する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 16ページ(2))

どちらの改正も「令和8年1月1日以後に行う譲渡資産の譲渡に係る買換資産について適用する」とされています。残る1件は次のとおりです。

(8)特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 14ページ)

金融庁:暗号資産は分離課税、死亡保険金と上場株式等の相続税は記載なし

NISA(非課税保有限度額の当年中の復活は記載なし)

金融庁の要望は、具体的に3点を挙げていました。

① こども支援の一環として、つみたて投資枠における対象年齢等の見直し ② 様々な資産運用ニーズに応えるため、対象商品の拡充等 ③ 投資商品を入替しやすくするため、非課税保有限度額の当年中の復活

(出典:金融庁 要望事項「NISA 対象商品の拡充を含む制度の充実」14-1ページ)

①は上のこども家庭庁の項のとおりです。②について、閣議決定の大綱は指定指数の追加のほか、次の見直しを書いています。

ロ 指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託の主たる投資の対象資産に係る要件について、対象資産を株式又は公社債(現行:株式)とする。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 22ページ)

③に当たる記載は、閣議決定の大綱のNISAの項(①〜⑤)にも、与党大綱の「NISAの拡充」の項にもありませんでした。

令和9年度、金融庁は項目名を変えて③を要望しています。

あらゆる世代が自身のライフプランに沿った形で資産形成を行えるよう、非課税保有限度額の当年中の復活や、つみたて投資枠における要件の整備等、NISAの利便性向上等にかかる所要の措置を講ずること。

(出典:金融庁「令和9(2027)年度税制改正要望について」2ページ)

暗号資産

金融庁は「分離課税の導入を含めた」課税の見直しを要望していました(要望事項03-1ページ)。閣議決定の大綱は、登録された暗号資産を暗号資産取引業(仮称)を行う者に譲渡等した場合について、次のように書いています。

その譲渡等による譲渡所得等については、他の所得と分離して 20%(所得税 15%、個人住民税5%)の税率により課税する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 23ページ)

この項目は「金融商品取引法等の改正を前提に」とされ、適用は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後の譲渡等とされています(24ページの(注1))。

損益通算範囲の拡大(与党大綱の検討事項)

1 投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備する観点から、損益通算の範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大すること。

(出典:金融庁 要望事項「金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」16-1ページ)

閣議決定の大綱にこの見直しの記載はなく、与党大綱の「第三 検討事項」に次の1項があります。

2 デリバティブ取引に係る金融所得課税の更なる一体化については、意図的な租税回避行為を防止するための方策等に関するこれまでの検討の成果を踏まえ、総合的に検討する。

(出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」150ページ)

要望資料には「平成 17 年度からの継続要望」とあり、令和9年度も総務省に掲載された様式で、上の1を含む同じ3点が要望されています。

生命保険料控除(上乗せは1年延長、恒久化は記載なし)

令和8年分所得税において講じられた、23 歳未満の扶養親族を有する場合の一般生命保険料控除枠の所得控除限度額に対する2万円の上乗せ措置を恒久化するなど所要の措置を講ずること。

(出典:金融庁 要望事項「生命保険料控除制度の拡充の恒久化等」15-1ページ)

(6)年齢 23 歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の適用期限を1年延長するとともに、漁業協同組合等が取り扱う組込型共済契約に係る共済掛金が介護医療保険料控除の対象であることを明確化する。

(出典:令和8年度税制改正の大綱 25ページ)

与党大綱は、高校生年代の扶養控除の見直しの項で、生命保険料控除に次のように触れています。

その上で、児童手当の支給対象の高校生年代までの拡充や高校無償化の所得制限の撤廃等の歳出面での対応や、本扶養控除の見直しの方向性を踏まえた住宅ローン控除や生命保険料控除の先行的な拡充も念頭に、引き続き検討を進め、結論を得る。

(出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」17ページ)

令和9年度の要望は次のとおりです。

令和8・9年分所得税において講じられた、23歳未満の扶養親族を有する場合の一般生命保険料控除枠の所得控除限度額に対する2万円の上乗せ措置を恒久化するなど所要の措置を講ずること。

(出典:金融庁「令和9(2027)年度税制改正要望について」5ページ)

死亡保険金の相続税非課税限度額(大綱に記載なし)

令和8年度と令和9年度の要望事項は、要望の内容が同じ文言です。

死亡保険金の相続税非課税限度額について、現行限度額※に「配偶者及び未成年の被扶養法定相続人数×500 万円」を加算すること。

(出典:財務省掲載 金融庁 令和9年度税制改正要望事項「死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ」07-1ページ。※の現行限度額は「法定相続人数×500 万円」)

令和8年度の要望事項の「これまでの要望経緯」には、次の記載があります。

本要望については、平成3年度税制改正より継続して要望している。

(出典:金融庁 令和8年度要望事項 09-4ページ)

閣議決定の大綱と与党大綱の全文を「死亡保険金」で検索し、閣議決定の大綱の「二 資産課税」と与党大綱の「第三 検討事項」を読みましたが、この要望に対応する記載はありませんでした。

上場株式等の相続税(大綱に記載なし)

国民の資産形成における安定的な上場株式等の保有を促すため、上場株式等について、相続税評価方法の見直し等を行うこと。

(出典:金融庁 要望事項「上場株式等の相続税に係る見直し」07-1ページ。令和9年度の要望事項08-1ページも同じ文言)

要望経緯の欄は「平成 28 年度からの継続要望。」です。閣議決定の大綱と与党大綱の全文を「上場株式等」「相続税評価」で検索し、「二 資産課税」と「第三 検討事項」も読みましたが、この要望に対応する記載はありませんでした。

表の外で、大綱に書かれていた2つの項目

ベビーシッター等の利用費

2025年8月の要望の一覧(財務省掲載のこども家庭庁の要望事項一覧表、総務省の令和8年度こども家庭庁のページ、こども家庭庁「令和8年度税制改正要望の概要」)に、ベビーシッターの項目は載っていません。一方、こども家庭庁の令和9年度の要望資料には次の記載があります。

令和8年度においてはこども家庭庁の単独要望として、「ベビーシッター等の利用に要する費用に係る税制上の措置」を要望。

(出典:令和9年度地方税制改正(税負担軽減措置等)要望事項 No.4(こども家庭庁)4-4ページ)

与党大綱は「第一」の中で、来年夏を目途に税制措置を含む支援策等を総合的に検討するとしています(17ページ)。閣議決定の大綱に改正事項としての記載はなく、令和9年度は「家事支援サービスやベビーシッター等の利用に要する費用に係る税制上の所要の措置」として要望されています。経緯の原文はしくみ解説の記事にまとめています。

教育資金の一括贈与(金融庁が共同要望、主管は文部科学省)

金融庁は、令和8年3月末までの時限措置の延長を要望していました(要望事項22-1ページ)。与党大綱は、延長しないことと、その理由を書いています。

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については、これまでの利用の実態や格差固定化の懸念、教育費の無償化や負担軽減の進展、NISAの拡充等も踏まえ、適用期限(令和8年3月末)は延長しない。

(出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」12ページ)

閣議決定の大綱(35ページ)も、延長せずに終了するとしています。

2026年3月31日に成立・公布、記載のなかった部分など5つは再要望

令和8年度の税制改正は、所得税法等の一部を改正する法律が2026年3月31日に成立・公布されています。この記事で確認したのは、要望と大綱の記載です。

大綱に記載がなかった部分や検討事項とされた部分のうち、セルフメディケーション税制の控除額の見直しを除く5つは、令和9年度(2026年8月31日付)の要望に入っています。

令和9年度分は、各府省庁が要望を出した段階

令和9年度分は、各府省庁が要望を出した段階です。再要望された項目の中身は、各省庁の令和9年度税制改正要望の速報(関連記事)にまとめています。

今後の予定

  1. リフォーム減税の標準的な工事費用の見直しを、同日以後に居住する場合に適用
  2. 買換え特例の新築の買換資産で、同日以後に居住する家屋に災害危険区域等でない要件
  3. 住宅ローン控除の適用期限(大綱で5年延長)

予定は資料の記載にもとづくもので、変わることがあります。

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経過

日付と出来事の一覧を開く(6件)
  1. 各府省庁が令和8年度税制改正要望を提出(財務省の集計は8月29日付)
  2. 自由民主党・日本維新の会が「令和8年度税制改正大綱」を決定
  3. 政府が「令和8年度税制改正の大綱」を閣議決定
  4. 所得税法等の一部を改正する法律案を国会に提出(第221回国会 閣法第3号)
  5. 参議院で可決・成立し、同日公布(令和8年法律第12号)
  6. 各府省庁が令和9年度税制改正要望を提出(8月31日付)。死亡保険金・上場株式等の相続税・損益通算などを再要望

出典

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